今日どうしようかなぁ・・・
顔、合わせづらいなぁ・・・
でも、部活は行かないとだし。
ん~・・・のぼせそうだから上がろう。
考えてても仕方ないし、もう行こうかな。
私はジャージに着替えて家を出た。
「今日も1番♪」
私以外には今日も誰もいなかった。
・・・・・・?
と思ったけどあれは・・・・・?
バシャッ
・・・・プールの中に誰かいる?
「おはようございます。」
私はその人物に近づいて挨拶をした。
その人は笑顔でこっちを向いた。
「おはよ、るか。まだ早いのにどうしたの?」
「いや、篤さんこそ・・・2部練の前に自主練ですか?」
そう、篤さんは2部練の前だと言うのに練習をしていたのだ。こんなに早くから。
「いやさ、昨日、いい感じにつかめた気がしたんだよね。だからドリルだけ早くしたくて。」
よほど恥ずかしかったのかはにかんでいた。
というか、今日の練習で復習してもいいだろうにすごいな。
こんなに頑張ってるとこ見たら、私ももっと頑張らないとって思ってしまう。
「すごいですね、選手の鏡ですよ!!」
「いや、俺がこんなに頑張るようになったのは、るかのおかげだよ?」
「へ?」
篤さんの意外な言葉に私は驚いた。
「マネさんがあんなに一生懸命頑張ってくれてるのに俺たちが頑張らないわけには行かないじゃん。お礼外にも、るかの影響で練習に対して気合が入る人増えたよw」
「いや、そんなこと・・・・。私は選手の人が頑張ってるから・・・。」
「じゃぁ、相乗効果だね。」
篤さんはそんなことを言っている。
そんな風に思ってくれてたんだ。
私のしたことがこういう風に選手にいい刺激になってるなんて嬉しいな。
でも、まだまだ未熟だし、もっと頑張らないと!!!
「私、もっと頑張りますね★選手の人たちがベストどんどん出せるように。」
「じゃあ、俺もるかや他のマネさんたちの期待に添えられるように、もっとがんばるよ。」
「るか、今日はなんか上の空だったね?」
「そうですか?そんなことないですよ。」
「それならいいんだけど。何かあったらいってね。」
「ありがとうございます。」
まいさんはやっぱり鋭い・・・。
今日、私は晃のことが気になって上の空だった。
隠してたつもりだったけど、わかる人にはわかってしまう。
気をつけないと。
「るか、ばんそーこー頂戴!」
考え事をしてた私の前に晃の整った顔があった。
「あ・・・晃!?え???」
「晃じゃなくて絆創膏!!」
「あ、絆創膏ね。ちょっと待って。」
私は晃に絆創膏を渡した。
「晃怪我したの??」
「ん?心配してくれてんの?たいしたことないよ。ちょっとぶつけただけ。」
私は晃が指差したところを見た。血が出てる。
「消毒してあげるからちょっと待って。」
「いや、いいよ。めんどくせぇし。」
「だめ。大切な体なんだから。早く治らないとしみるよ?」
「わかったよ。お願いします。」
晃はしぶしぶ目の前のいすに座って傷を私のほうに向けた。結構いっぱい血がでてていたそう。
「いたそう・・・・」
「たいしたことねぇって。心配すんな。」
「むりしないでね?」
「あぁ、サンキュ。」
私たちはどことなくよそよそしくなってしまった。
昨日のことがなんか気まずい。
「あの、晃・・・・昨日のことだけど・・・・」
私は、遠慮がちに言った。晃は返事のかわりに私の顔をじっと見つめている。
「わ・・・私ね、好きってよくわからないの。だからね・・・でもね・・・今までどおり、晃とは仲のいい友達でいたいの。だめかな?」
「・・・・・」
「ごめんね?」
「いや、気にしないでいいよ。俺が勝手にるかのこと好きになっただけだから。」
晃は笑顔で返してくれた。私はホッとした。
「ありがとう。」
私も笑顔で返した。
「・・・・その顔は反則だろ・・・」
「え?何?」
「いや、なんでもねぇ。」
へんな晃だ。
「それより、今日はみんなと飯行くだろ、さっき集めてたから行こうぜ。」
「あ、うん。」
晃とはフツウに戻ったし安心だな。
これで、大丈夫だ。よかった。
私は帰りにまた、晃に送ってもらった。
家について、私は今日の記録の整理をした。
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これは・・・?
美紀がタイムを書いた分で1人だけタイムが落ちてる人がいた。
"西原拓海"
同級生で大人しめの子だ。
今日の練習では一度も担当しなかったから気づかなかったけど
いつもより明らかに遅い。
泳いでるの見たときはそんなの気づかなかったのに・・・・。
体調でも悪かったのかなぁ?明日聞いてみよう!!!!
私は明日の準備をして眠りについた。